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【とにかく修行】親指ピーク【残雪期】

親指ピーク2
残雪期の親指ピーク。
完全な雪山装備を。
一人ではいかないほうがいいです。
以下、山行記。

しびれるような山だった。
心の中で「家に帰る。家に帰る」と強く反すうしながらも、
まずい!と思った瞬間は一度や二度ではなかったはずなのに。
怖い。
とにかく怖かった。
それでもまた行きたい。
そう、強く心から思えた山だった。
残雪期とは思えないパウダースノーに包まれた
四月の親指ピークは、
どこまでも雄々しく、多くの感動を自分に与えてくれた。

三鈷峰とユートピア
三鈷峰がどこまでもきれいだった。


■日時:2017/4/2(日)
■メンバー:
山崎さん、本末さん、俺
■ルート概要:
川床(7:00)→阿弥陀川を登りながら徐々に三鈷東谷へ→三鈷東谷(10:00)→
ここから親指ピークまで直登→親指ピーク(12:00)→野田ヶ山へ歩行開始(13:00)→
一番危険な箇所、しびれる → 野田ヶ山(14:50) → 1176mピーク(15:40) →
川床(17:00)
計10時間の長丁場
ルート概要



■内容:
すでに四月に入り、もはや大山にも雪はないだろうと楽観して
6:30に集合場所の烏天狗公園に集まり、川床を目指す。
ところがそんな思いは全くの杞憂で、
川床からすでに山盛りの雪が出迎えてくれた。
アイゼン、ピッケル、ビーコン、ゾンデ、スコップと
雪山グッズフル装備で来たことに安堵した。
一つでもかければ、ここで引き返すしかなかった。
とはいうものの、雪はカチコチに固まっており、
ツボ足でゆっくりと阿弥陀川を登った。
辺りは雪崩の跡だらけだった。

IMGP1691.jpg

「落石は4月が一番多い。よく周りを見て、落石や雪崩の危険性を感じながら登ること」
同行してもらった山崎さんがそんなことを教えてくれた。
確かによくわからないところにすごく大きな岩が雪の上に落ちている。
どうやってお前はここまで来たんだ。
全く見当もつかなかったが、
そこにいるということは誰かがそこに運んだのだ。
風か、雪か、それは皆目見当がつかなかったが。
徐々に阿弥陀川からルートを南東に向けて進み、
三鈷東谷に入る。

三鈷東谷辺りはほとんど新雪だった。

IMGP1701.jpg

まだ降ったのだ。
暦は四月に入り、下界は桜も咲こうとしているのに、
この辺りはまだ真っ白だった。
驚いた。
今年は本当に雪が多い。
10:00。ちょっとだけ休憩をし、
三鈷東谷直下からアイゼンを装備し、東の壁を直登する。
その先には親指ピークが待っているはずだ。
三人で信じてひたすらに登った。
辺りは藪だらけだった。

IMGP1727.jpg

雪は風で飛ばされるのか、それとも溶けたのか、
新雪だったが、10㎝程度しかなかったように思われる。
ピッケルが全然刺さらない。
刺さっても地面に刺さる。
とにかく藪にしがみつき、一歩一歩確実に歩みを進めた。
滑落するような感じではなかった。
ただ、とにかく藪が邪魔だ。
ピッケルが邪魔だ。
アイゼンが邪魔だ。
でもそれらがないと登れない。
おそらく登った高さでいえば
100mちょっと程度だろう。
それでも親指ピークに就いた時には、
時間はちょうど正午でお昼時だった。

IMGP1754.jpg
親指ピークでランチタイム。

天気清涼。
4月とは思えないパウダースノーの中に
親指ピークは確かにそこにあった。
ここにたどり着くのに5時間。
無雪期では考えられない。
長い時間を使ったが、それでもここにきてよかった。
気持ちがよかった。
ここで大休止。
各々がカップ麺を食べたり、
親指ピークに登ったりして遊ぶ。
ここから望む三鈷峰とユートピア避難小屋は本当に美しかった。
山岳らしい大山がそびえていた。

親指ピーク
親指ピーク。
とてもきれい。

13:00。
ここから何とか帰らなければいけない。
登山計画では一般登山道で野田ヶ山まで行き、
そこから川床まで下山する予定になっていた。
ここからがいけなかった。
親指ピークから野田ヶ山までは無雪期であれば
一般登山道でそれなりの装備さえあればだれでも行ける、
楽しい登山ルートだ。
この時期は違った。
いや、今年が違うのかもしれない。
昨年同じ道を歩んだ山崎さんと本末さんは途方に暮れていた。
自分は恐怖に震えてもいた。
道は、閉ざされていた。

長く続く雪庇。
岩には一般登山道に敷かれている使えるかどうかはおいておいて
ザイルが岩にくっついている。
それを目視できる。
それでも、先には進めないのだ。
尾根に吹き付けた雪が雪庇になり、
道は道ではなかった。
東側は急斜面で滑り落ちたらおそらく止まらない。
西側は完全な崖だ。
落ちたら死ぬ。
自分は何度か滑りかけ、本当に怖い思いをした。
必死に藪にしがみついたが、
そのたびに背筋が凍りついた。
この藪が折れたり抜けたり、なくなったら、
その下の崖に自分は落ちている。
怖い。
家に帰る。家に帰る。
そう念じながら一歩一歩進んだ。

なぜか本末さんは全く動じている様子はなかった。
この辺、経験豊富な人はすごい。
自分はぶるぶる震えているのに、
そんなそぶりは全く見えなかった。

何より勇者は山崎さんだった。
「ちょっと行ってみます~」
そんな軽い口調で、一人雪庇に突入していった。
しっかりピッケルを突き刺し、
後ろ向きで一歩一歩確実にルートを確保していかれた。
ただただ見守るしかなかったが、
その後ろ姿は本当に勇敢で、
強い感銘を覚えた。
あんな人が山ヤなんだ。
素直にあこがれた。

時間でいえば一時間程度悪戦苦闘し、
おそらく進んだ距離は50m~100m程度と短い距離だっただろうが、
それでも大きな前進であったその一時間の戦いが終わったら、
道なき道はある程度落ち着いた。
本当に安堵した。
もう帰れないかもしれないと強く思った一時間だった。
怖かった。
しびれるような山だった。
一般登山道、まさかこんな変容を遂げているとは思わなかった。
気持ちを切り替え、がりがりと野田ヶ山まで急ぐ。
時間をかなり使ってしまった。
計画は大幅に後ろ倒しになったが、
これが山なんだろう。
大山の厳しさを強く思い知ったルートだった。
ちなみに下山中は写真は一切ない。
そんなものを撮っている心の余裕は一切なかった。
ただ一心に生きて帰ることを考えていた。

14:50野田ヶ山。
ここまでくるとアイゼンも必要なくなり、
斜度も緩やかになる。
心も弾み、冗談も口から出てくるまで回復していた。
それまでは結構青い顔をしていたと思う。
少し休憩し、地図を見ながら1176mピークを経由し、
1061mを下り、
川床まで降りた。

17:00ちょうど下山。
下山中は特に危険を感じるようなところはなかったが、
距離が長くとても疲れた。
なにより親指ピークから野田ヶ山にかけての雪庇の
精神的な恐怖が大きな疲労につながり、それが蓄積してた。
下山して心から思う。

帰ってこれてよかった。

各々が帰路に就く。
自分は19:30、自宅。
そのまま泥のように眠った。

大山を思い知った山行だった。
親指ピーク、無雪期には何度も行っているが、
積雪期にはこんなに厳しいルートになるとは思ってもいなかった。
山崎さん、本末さん、今回のメンバーに心から感謝したい。
無事に帰ってこれたことに感謝したい。
思い出に残る、楽しい山だった。
もっとスキルを磨き、このようなルートを自分でたどれるくらいに、
山ヤとして成長していきたい。

IMGP1794.jpg
川床に生えていたフキノトウ。
ぼちぼち、ここらも雪解け。
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2017-04-04 : 登山 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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Hiroshi

Author:Hiroshi
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初めまして、こんつは。
Hiroshiと申します。
どうぞよろしくお願い致します。
私生活を脈絡なく綴る
日記ブログです。

○登山・・・鳥取県大山中心に
・まだまだ初心者です。
・米子クライマーズクラブに所属。


○バイク・・・たまにツーリング
・愛車:CBR250R 2013年式
・バイク歴は7年くらい

○カメラ始めました:
・愛機:Pentax K-70

○キャンプ・・・
・最近は登山&キャンプ、
ツーリング&キャンプの合わせ技が多い

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