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真実の乖離

 人は必ずしも、補完されているわけではない。過去は己を脚色し、それでも美しく魅せようと闊歩してみせる。
 未来は必ずしも、確定しているわけではない。ゆえに人は憧れ焦がれ、あがいてみせる。
 本当のところ、歴史はそんなものでしかない。そんなものの連続でしかない。そこに自分がいることなど当人にとってはただの虚構でしかなく、人はしばしば、その真実を忘れる。



 人は皆、当事者であるということを忘れようと努力しているように思えます。内政、外交、社会。先日書いた"Smoke Free"。今日の晩御飯。その全ての原因を他者に帰属させて、ある一方では責任転嫁をしています。よくありませんか?私はいつもそうなのかもしれません。
 だから考えなければいけないのだと思います。様々な問題を抱えている現状を打破するにはまず、考えるしかないのです。
 一つ、私にも分かっていることがあります。個人を完全なる他者として昇華することは不可能です。なぜなら今私たちが生きている社会は、全てと隔離することを不可能としているからです。私は買い物が好きで、よくスーパーだとかコンビニだとかドラッグストアなんかに行きます。(特に目的はないのですが・・・)でも、少し考えてみてください。そこは、市場ですよ。
 自分の知らないところで世界は確実に動いています。少なくとも、私は自分が市場の中に組み込まれているという事実を否定できません。だから世界はすごく残酷で、冷淡で、ときとして私に至福のときを与えてくれます。至極、矛盾していますよね。でも楽しいだとかうれしいだとか、そんなことを感じる瞬間は私にだってありますよ。
 忘れないでください。人はまだ、虚構の中にいます。だからこそ真実はいついかなるときでも、個人とは乖離しています。
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