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もう一つの戦後  ~日米間における不条理~

 少し前まで騒がれていた日韓、日中問題がここのところ少し収まってきて、最近は在日米軍の再編問題が紙面をにぎわせています。私たちは何気なくそれらのメディアを観ていますが、そこには北東アジアとはまた別の、もう一つの戦後の姿があるのです。
 まず、米軍7000人の移転は決まりました。しかし主力部隊は日本に残るそうです。これは日米の軍事が一体化しているということがいえます。確かに、安全保障の面を考えれば日米軍事の一体化というものは間逃れないでしょう。しかし、これは日本国憲法が否定している「集団的自衛権」につながりかねません。事実、現在の日米関係を「個別的自衛権」として扱うことができるでしょうか。新日米安全保障条約第3条、及び第6条の極東条項において極東(この極東という定義も至極曖昧で、どこまでなのか具体的には規定できていません)の有事の際には武力攻撃に抵抗するそれぞれの能力を維持し発展させることが両国の義務となっています。これは明らかに軍事的活動を示唆するものであり、今回の米軍再編によりこの問題はさらに顕著なものとなったといえるでしょう。
 さらに、米軍のグアム移転費用、グアムでの施設建設費を日本側が負担するということが政府間で合意されました。その額は数千億円にのぼる見込みだそうです。なぜこれらの費用を日本側が負担しなければならないのでしょう。新日米安保条約をはじめ、全ての条約でこのような規定はなかったはずです。日本政府はこれを強引に理屈付けし、合法的に規定しようとしています。ここまでくればもはやアメリカの横暴にしか見えません。
 これはあくまで中間報告のようですがアメリカ側はこの方針を変更する意思はないようです。なぜこのようなことが許されるのか。様々な言い分はあるにしろ、これは「日本が戦争に負けたから」の一言で片付けてしまうことができます。メディアは中国や韓国には熱くなり、戦後60年経つのになぜここまで謝り続けなければいけないんだ、と過剰に反応します。しかし、忘れないでください。今日の日米関係もまた、ひとつの戦後の姿なのです。

 補足として追記しておきます。日米安保条約は一般的には日米の同盟関係の構築と安全保障にあるとされています。しかし、これには多少の語弊があります。
 日米安保条約は当時のほかの国際同盟条約とは明らかに異なった性格を持っています。まず、他の国際同盟条約(NATO条約など)と比較して軍事的要素が弱いということ。さらに前記した極東条項より対象地域が広い(定義できない)ということ。他にもいろいろあるのですが、問題はこの二つです。
 軍事的要素が弱いことは当時(1960年)日本がそこまで高水準な軍事力を保持していなかったからです。つまり、このときアメリカ側は日本の軍事力に頼るという意思はなかったといえます。さらに対象地域が『極東』にあることは冷戦下におけるアメリカのアジア安全保障を考えると合点がいきます。当時アジアにおけるソ連台頭はアメリカに大きな影響をおよぼしました。そんななか、アメリカは前方展開戦略の拠点がほしかったのです。それが日本。
 このように考えていくと安保条約の日米安全保障という要素は極めて薄いものとなってしまいます。

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テーマ : 日本自衛隊関連
ジャンル : 政治・経済

2005-11-09 : 外交・安全保障 : コメント : 3 : トラックバック : 0
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激しく同意します。
そうですよね。
韓国、中国には「いつまで誤り続けなければならないのか」という人達にかぎって、アメリカには寛大というか、奴隷根性というか、なにも言わない、言えない(^^;
「いつまで虐げられれば気が済むのか?」といいたいですね。
2005-11-09 18:09 : 土佐高知 URL : 編集
初投稿です。

ボクもそう思いますよ、たしかに何かおかしいですよね、一方的なようにも感じ取れます
2005-11-09 20:40 : ヴェネリィ URL : 編集
はじめまして
  土佐高知さん、ヴェネリィさん、初めまして。書き込みありがとうございます。
  そうですね。こういった戦後問題は至極多角的です。
  ちなみに今回の事例と類似した事件が1971年に起こっています。当時基地拡張を理由にアメリカは日本に650万ドルを要請しました。しかし、日本側は行政協定(この場合安保条約などの60年条約)の見直しによる行政悪化の可能性を危険視し、それを理由にアメリカ側の要請を断っています。その補修としてアメリカ製の武器の調達の増額、アメリカ主導の対アジア援助の増加を提案しました。当時の日本の経済力を考えればそれも可能だったわけですね。
  前記しましたが、戦後処理は至極多角的です。対米、対アジア、対国連。もっともっと広がっています。そしてそれらは内政的なもの、外交的なものが入り混じっています。(内政=日本の国防、外交=日米関係)これらとどのように向き合うのか、考えていかなければいけないと思います。
2005-11-10 10:23 : Hiroshi URL : 編集
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