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敗戦時の天皇の位置付け

 1945年8月15日の天皇のラジオ放送は国民にとっても、軍人にとっても本当に衝撃的なものとなりました。特に8・15事件といわれる大本営参謀椎崎中佐、畑中佐、近衛師団参謀石原少佐、古賀少佐、航空士官学校区隊長石原大尉などが起こしたクーデタなどをはじめ日本国内での軍隊治安情勢は極めて混乱していたと考えられます。ちなみに戦争終結反対を最後まで主張し続けたこの5人、その抵抗はほんの数時間で自決にまで追い詰められてしまいます。
 このように戦後直後は一般的にアメリカの介入という認識しかされていないように感じますが対外的な要因だけでなく日本国内でもかなりの混乱していました。このほかにも様々な軍人、官僚が自決をしたり聖断を授かろうとクーデタを起こし射殺されたりしています。戦後直後の8月には中央軍部は様々なしがらみがあるのです。
 しかし、日本の無条件降伏、天皇のラジオ放送は至極衝撃的だったにも関わらず、軍部全体的なクーデタなどの反乱はなぜか起こりませんでした。これは終戦決定のかなり前から一般の国民も官僚、軍人なども日本の敗戦は感覚で分かりきっていたからであるという見方が一般的です。
 戦後直後の日本国民の意識は戦争に負けると分かっていたにも関わらず沈んでいました。以下、1945年8月~12月までの期間で行われた降伏直後の反応に関する統計です。
  • 後悔・悲観・残念・・・30%
  • 驚き・衝撃・困惑・・・・・・・23%
  • 戦争が終わり苦しみも終わりだという安堵感または幸福感・・・22%
  • 占領下の扱いに対する危惧、心配・・・12%
  • 幻滅、苦さ、空虚感、勝利のために全てを犠牲にしたが、全て無駄だった・・・13%
  • 恥ずかしさとそれに続く安心感、後悔しながらも受容、予想されたが、国史上における汚点と感じる・・・10%
  • 天皇陛下のことが心配、天皇陛下に恥ずかしい、天皇陛下に申し訳ない・・・4%
  • 回答なし、またその他の反応・・・6%
合計・・・125% (複数回答)

 ほとんどの日本人が勝てないと認識していたにも関わらず、祖国が負けたと認めることは難しかったようです。ここでの問題は"天皇"の位置付けです。「天皇陛下のことが心配、天皇陛下に恥ずかしい、天皇陛下に申し訳ない」4%がどれだけ意味を持っているでしょうか。以下、1945年8月~12月の天皇に対する態度の統計です。
  • 在位を望む・・・62%
  • 天皇陛下に申し訳ない・・・7%
  • 何も判断できない・・・10%
  • 回答拒否、またはそのような畏れ多いことは話すことはできない・・・2%
  • 天皇がどうなろうと私には関係ない・・・4%
  • 退位させる・・・3%
  • 回答なし・・・12%
合計・・・100%

 国民意識における天皇の存在はかなり大きなウェイトを占めていたということがこれでわかるでしょう。天皇という単語を聞いただけでしゃがみこんで泣き出す女性、天皇の意思に従うと苦渋の表情で答える男性など、様々な方が当時いたようです。
 当時の天皇の機能は単に最高意思決定者というだけでなく、「何百万という個人にとって精神的、感情的やすらぎの源泉」という一面も持っていました。天皇の偉大さを教育などで刷り込んでいたという側面もあります。しかし敗戦で日本は絆と洗脳の表裏一体であった天皇というナショナリズムを失ってしまったのです。
 現在、天皇は象徴として日本に在位しています。それがどういう意味なのか、そしてさらに広げると政教分離や国家の意思など様々なことを考える材料の一つではないでしょうか。
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テーマ : 雑記
ジャンル : 政治・経済

2006-01-13 : 歴史研究 ~北東アジアの追及~ : コメント : 0 : トラックバック : 0
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